殴られたら痛いんや。

当たり前ではあるが。

段を取るところまでは行かず(級どまり)あまり長続きはしなかったが剣道とか空手をやっていたことがある。ところでこれ、とにかく痛い。有段者(といっても全国の強豪とかではなくて地域で強いほうとかそんなの)の面、胴、小手、まともに入ると鉄パイプでぶん殴られたかのように(さすがに鉄パイプは未経験だが)重く痛い。防具の上から1kgも無い竹刀が決まっただけで脳天は骨折したんじゃないか、息が止まるんじゃないか、手は痺れて動かないといった具合だ。


これがも2kgはある木刀だったら? 4kgもある模造刀だったら? 真剣?(論外)


もう痛みは想像の範囲を超えている。


空手だってそう。もし防具やガードに失敗してまともに正拳突が決まったら?まわし蹴りが決まったら?手加減していたって鉄球で殴られたかのような重さと痛さである。もはやコレも想像の範囲を超えてる。おそらく急所に決まれば生涯残る重傷や死亡だってありえる。


野球のピッチャーは百何十キロのボールを投げる。つまり人間の腕は100kmを超える速度が出せるのである。仮に振り下ろされる腕の重さが3kgだったとしよう。拳=ボール として重さ3kgの鉄球を100kmでぶつけられたら?


まあ、格闘技ってそんなもんである。


にもかからず、K-1だのなんだの異種格闘技なんとか花盛り。
柔道とかアマレスは「スポーツ」として相手に怪我をさせないことに関しては非常に完成されているが、異種格闘技となるとそうはいかない。

まあ、たまにテレビとか見ても「ストリートファイター2」を生身でやってる!?という感じで(画面の演出とかモロに格闘ゲームのそれである)正直言って「ゲームの真似をしてはいけません!あぶないでしょ!」という気分である。人間はHPゲージが徐々に減っていって0になったら倒れるのではない。まともに決まれば一発で終わりである。ラウンドが続いているように見えるのは技が決まっていないからだ。


 「イニシャルD」がヒットしたからといって、実際に峠ドリフト大会が開かれたという話は聞かない。「タクシー」のヒットで町をタクシーで暴走するレースが主催されたとも聞かない。当たり前だ現実に行うのはあまりに危険だからである。が、総合格闘技というのはそういうのに極めて近い気がするのである。なので今のブームというのは非常に危険な気がする。僕はあまりに痛そうでとても見ていられないのである。


以前、山本KIDとかいうのがとび膝蹴り一発をカウンターできめて相手が完全にダウンした事があった。あんなのをマネする素人が多数出たら大変な事になる。プロレスごっこも危険だから止めなさいとよく怒られたものだが、スピードがある今の格闘技ブームはもっと危険だ。


くれぐれも見て喜ぶのも訓練を受けてからにして欲しいものだ。


ま、実感ないから笑って見ていられるというのが大半でしょうけど。


 ・・・プロレスごっこで最も危険な技は「ポストに登ってダイビングアタック」であろう。全体重を乗せて落下など決まれば内臓破裂だ。だが、実際やろうとしてもポスト(に見立てたもの)に登ってダイブしようとしても、するほうが怖くて出来ないので(ふかふかのマットがないとできない、もしくはプールとか)かろうじて心のセーフティーがあった気もする。

 そういう意味でプロレスごっこは「本当に真似しようにも出来ない」技が多かったように思う。レスラーはそういうのをやって見せる訓練をしているからできるのであって、ラリアットで後ろに倒れるだけでも格闘家ですら恐ろしいそうだ(倒れて見せるのが)


ボクシングは「スポーツ」と呼ぶには相当危険なほうだと思う。