手抜きの芸術

あいかわらず実用のクルマとしては申し分ない状況であるが、あちこち開けてみるとギョっとする部分が多い。ドライブシャフトは針のように細いし、遮音材は発泡スチロールが多用されている(黒く目立ちにくくしてあるけど)荷室にストラットの出っ張りがチョコンとあるし(実はストッパー代わりに便利だが)、170カ国で使われる実用車がこれでいいのか?と思うところも多い。しかし、結果としてアレだけの車格で1070kgしかないのだ。ゴルフTSIなんか似たような車格で1.4Lをターボ+スーパーチャージャー武装しているが1430kgもある。しかしカローラは150kmでもビクともしない直進巡航性があったりする。もちろん考え方の違いはあれど、ここまで極端だと面白い。安く安く安く・・・と結果的に軽くなるので相対的に性能は上がる。どこで妥協するか、どこまで削れるかの判断には相当な労力が使われたと思う。見極めや判断に膨大なコストが使われ、最終的な材料原価は安い、そういう「性能」の追求の仕方もアル、ということだろう。

だが、だからトヨタの定価はべらぼうに高い。とてもじゃないが、ユーザーのお買い得度=メーカーの損度 とすればゴルフやアクセラのほうが絶対上だろう。新車で買う車じゃないね。
ヴィッツでもメーカーの損度でいけばスイフトのほうが圧倒的に上、スイフトの価格はスズキ社員の血で出来ているのだ。新デミオではマツダもなかなかトヨタちっく(安く作って高く売る)になってきたが、それでもトヨタほどではない。トヨタは社員とユーザーの両方の血を吸い上げているのだから。そりゃ儲かる罠。