ニコニコ動画にアニメプロデューサーが怒っている件

ニコニコ動画のうpされるアニメ映像について、製作者が怒る、これはある意味当然だと思う。ただ、ユーザー側の気分としては「録画した番組、買った番組」の「みんなでの上映会」をやっている感覚に限りなく近い。10人ぐらいで集まってやっていたのが、「ヘタすりゃ10万人」になってはいるけれど。
さて、これがDVD売り上げ減に繋がっている、という主張については画質の観点がスッポリ抜け落ちていることが気になる。

  • ニコニコのFLVはMAX40MBで、Aパート、Bパートに分けたとしても80MB、これではどうがんばって(神画質でも)HDDレコーダのEPモード以下
  • DVDを買う人にとって画質は最重要課題。画質を求める層で買わない層はレンタル+コピーだ。特典映像もあることはあるが、あくまでおまけ。
  • 同じ作品のリニューアル版を買う人なんか特にそう。
  • ただし、あのね商法については反動でうp衝動が高まる可能性が高い。
  • 電脳コイルが売れてない理由。神作画でHD製作なのがハッキリしているのに、これが欲しい人は間違いなくBD待ち。DVDなんか買えるか!
  • 同じく評判がいいアニメDVDが売れていない。これは間違いなくBD待ち。HD製作で、極稀にHD放送なんかしていたらよけにそうだ。DARKER THAN BLACKのDVDが低調なのは、あれを地デジで見た人間がDVD版を買うとは到底思えない。また「ロミオ×ジュリエット」の低調も後半の盛り下がりもあるが、地デジでHD放送されなかったからこそBD待ち。
  • 今現在ゲームも出来て、DVDをアプコンできる最強BDプレイヤー、PS3が手軽に買える。なのに見るものが無い!この飢餓状況に「HDマスタリングDVD」なんか出してる場合なの?

このアニメプロデューサーの発言で非常に気になるのが「おまけ映像のアップは許せない、DVDが売れない」としている点だ。もちろん正論だと思うが、視聴者を「敵認定」することが、結果的に「おまえも敵な」という対立関係を生むこと、「DVDを買ってくれた人 と うp する人物が別人とは限らない、むしろ同一人物の可能性が高い」点も気になる。ヘタをうつと「買った人に対して 氏ね と言っている」ことに気が付いていないのか?むしろ視聴者を手のひらで転がすべきプロデューサーが、ユーザー側の心理をまるで推測さえできていないように感じる点も大きな不安だ。京アニ作品群が「あきらかに転がしてやがる」とむしろその巧みさに腹立つぐらいなのとは対照的だ。

また、神作画アニメのDVDが低調な理由がまるでわかっていない気がするのである。ユーザー側の心境と製作側の心境が非常に剥離していると感じる点だ。

HDソースを握っているのが丸分かりなのにDVDばかり出しやがって!という点。PS3が低調といわれても100万台あることが・・

  • 「HDソースの出し惜しみが神作画さえ殺すんだ、それをわかるんだよプロデューサー!」
  • 「わかってるよ。だから、オタクに製作者の心を見せなけりゃならないんだろ」
  • 「ふん、そういう男にしてはオタクに冷たかったな、え?」

ああ、このすれ違い・・・