地デジがあってよかった。

誰も喜んでいないといわれる地デジ。でもやっぱりプラス面はけっこう大きいと思うのだ。
PS3が来てしばらく。PSPでもそうだが、デジタル接続のプログレッシブなモニタ と ダウンロードしたモノをストレージにためてシステムメニューから呼び出して使う というスタイルを始めると、とたんにこれが「ゲーム機」から「コンピュータ」という感覚に変わる。PS3HDMIフルHDな1080pで使っていると本当に幸せな気分になるのだが、逆に言えばコンポジットでテレビに繋いでいる限り「ゲーム機」の感覚から抜けられないだろう。発売当初まったく評価されなかったのは当時のHDテレビの価格を考えればやむべきことかな。

それにしても、一般的なPC(SXGA〜WSXGA)より高解像度な画面が身近になったのは、やはりなんだかんだいっても地デジの圧力というのは無視できないと思う。コレがなければここまで急速な発達は見込めなかっただろう。コピーワンスは緩和されたが、一時期「早すぎた機械」としてもてはやされたコクーンチャンネルサーバのようなスタイルが一般的になればコピーワンスでもあまり関係ない。

まあ狙ってそうなったというよりは「結果的に」というところだろうが、歴史なんていつもそんなものじゃないかな。

「このままでは誰もテレビなんか見なくなる」という意見も多いようだが、それでいいんじゃないか。「パンがなければケーキを食べればいいじゃない」とはまさにそういう状況にピッタリの言葉じゃないか。
むしろアナログ停波で、いままでバラエティなんかを流し見していた層(いわゆるメイン層)が駆逐されてしまうとすれば、画質だなんだと云々しているような層がメインとなり、番組編成もおのずとマニアックになり、テレビ局が破産するまでの一時的にせよオタクマニア層には楽しい時代が訪れるんじゃないかと思う。仮に番組制作費が殆ど出なくなって、殆どの芸人が死滅して、無料地上波がニュースと過去のドラマやアニメの再放送ばっかりになったとしても、むしろその状況ってオタクなら楽しめるんじゃないかな? 他にも過去のCMを延々と流すだけのバラエティ番組でも、十二分に楽しめる番組として成立しそう。