やっと気がついたんかいな。デジタルコピー問題が「ネットじゃなくて、デジタルデータを自在に扱うPCだ」ということに。いっそ補償金ビジネスモデルとしてコンテンツをとらえ直しては?

http://av.watch.impress.co.jp/docs/20090205/cf.htm
 今後の具体的な補償金制度のイメージとして椎名氏は、「やはりPCの話をしなければならない。インターネットというよりも、PCが色々なビジネスモデルを変えているのだから。汎用性があるものなので全部に(補償金を)かけるというのは無理だと思うが、もっと突っ込んで、私的録音録画補償金制度ができることについて考える事は必要。対象機器の拡大拡大とばかり言われてしまうが、将来的に(補償金制度を)広くまんべんなく、薄く、平らにしていく事が重要。ピーキーな今の形をなんとかしていかなきゃらならない。その時になればPCやiPodも対象になっているだろう」と希望する将来像を語った。

そんなこと、10年前にMP3エンコーダが出回り、AVIファイルが出てきたぐらいで気がつかなきゃいかんのだがな。CD-Rが出た時点でもうわかっていたこと。この「椎名氏」なる人物は自分ではまったくPCを使って著作物を楽しんでなかったんじゃないかな。いや、そもそも「デジタルとは何か」がわかってなかったとしか思えない。こんな人を補償金問題のトップに据えていた時点でもう負けていたんだよ。メーカー製HDDには補償金をかければいいさ。次はバルク品との戦いが始まるけどね。ある意味「どんぶり勘定」な補償金システムは決して悪くない選択だと思う。補償金分配比率の問題はおれたちゃ知ったこっちゃないし。
正直なところ「メーカー製補償金付きアイテムを買うような人」よりも「バルク品自作PCを愛用する人たち」のほうが遙かにコンテンツデータをデジタル化することには熱心なので1TBのバルクドライブを買う人が無料で、320GB搭載のメーカー製PCには補償金がかかる、おそらくこういう結末になるだろう。
まあ、それでも補償金+DRMのダブル縛りがあってもいいと思う。それでコンテンツホルダーが潤い、良質なコンテンツが流れてくるならば。CDが売れなくなっても放送さえしておけばストレージを買う人から徴収できる。だからもうじゃんじゃん高品質大容量データ流しまくってHDDやBDを売りまくる。PCはどんどんストレージが巨大化し、ネットは大容量回線が売れ、携帯は高いプランが当たり前。高品質なコンテンツを視聴するために高級なAV機器が売れる。そういうサイクル。さいきんスーパーマーケットや湧き水とかであるじゃない。「水は無料だけど容器は有料」って奴。現地で買うと割高な容器になるが、自分で買ってくる人は安く買える。でそういう人の方が遙かに大容量のタンクを持ってくる。あれと同じだよ(笑)コンテンツは水ビジネスと同じになるってか>補償金システム。
まあそういうビジネスモデルへの転換はありかと思う。どんぶり勘定分配システムはうまく機能すれば「一部の大ヒットメーカーのおかげで、ロングテールのしっぽまで利益が行き渡る」という税金のような文化ホルダーとしても使えるだろう。一部の超大金持ちになっても麻薬でつかまってヤクザに吸い上げられるよりはクリエイターの中だけで循環する方が良いだろう。クリエイター社会主義だ。

ああ、このへんけっこうヤケで書いてる。