勇者30(のようなゲームが出てくるのに、ソニーは大作グラフィック主義の権化みたいに言われるのは不思議)

PlayStationStoreの体験版で「勇者30」というゲームがあったので遊んでみた。
「30秒で世界を救え!」
魔王が世界を滅ぼす呪文を唱えおわるまで30秒。時の女神様はたまたま通りかかった勇者に「あと30秒でなんとかして」とお願いする。果たして勇者は世界を救うことが出来るのか。というゲームである。
「おまえは何を言ってるんだ」
と言いたくなるけど、これでちゃんとゲームとして成立している。30秒の間にレベルを上げて武器を購入して魔王を倒すのだ。特にステージ1は本当に30秒なので(後半は町にある女神像で30秒巻き戻す事が可能なので、実質的には数分のゲーム時間になってくる)倒された魔王の「まさかこんなに早く勇者が来るとはッ!」というセリフの説得力に吹いた。

それにしてもPSPのゲームの幅は広いなあ。
ちょうどスーパーファミコンぐらいから、PS2の間ぐらいまでのゲームならどれも許容範囲というか、「勇者30」のようなドット絵のシンプルゲームから、テクスチャバリバリの3Dゲームまで何でもありだし、ポータブル+固定サイズの液晶という環境がもたらす効能だろうか。「みんなのゴルフ2」の体験版も遊んでみたが、ゴルフゲームと3Dグラフィックの相性は最高ですな。この「勇者30」もそうだし「勇者のくせになまいきだ」などドット絵のシンプルなゲームもヒットしていて、2Dメインのアドベンチャー「遠隔操作」、3Dをフルに生かした「絶体絶命都市」などこれだけバラエティに飛んでいて、かつ超大作じゃないゲームでも受け入れられる。この状況本当に悪いんでしょうか?

(ドット絵ゲームはシンプルといっても、勇者シリーズ?はあれだけ大量のキャラを出して処理落ちしなかったり、使っている色数だって微妙な影色を考えるとかなり多い。カットインや拡大縮小を含めた面白さを盛り上げる細かい演出はあくまで現代のゲーム機の性能あってのもの。レトロにみえてレトロマシンじゃできないゲームだ。やはり現代のゲームなんである。)

簡単にオンラインでゲームやビデオが購入できる(しかもPSP本体だけで完結ですよ)PlayStationStoreがあり、かつここのところの急激なフラッシュメモリの低価格化の追い風でストレージをどんどん増やせるPSPや、HDD換装可能で容量をがんがん増やせるPS3を見ていると「ソニーはアップルに負けている」とか「リアルなグラフィックスにこだわりすぎてゲームの本質を見失って任天堂に負けた」とか言ってる経済人はいったい何を見てそんなことを言ってるんだろう?任天堂っていったってゼルダとか狂気のレベルで開発費かかってると思うんですけど…

オンライン面やストレージ面に関しては、任天堂も相当ソニーの状況を横目で見ていると思うんですけどね。DSiではついにSDカードスロットがつきましたが、これをメインにするには従来のユーザーを切らなきゃいけない。WiiのSDカードスロットはどこまで行けるのか分かりませんが、「ソニーはあれだけ子供向けとか無視してやりたい放題できるのがうらやましい〜」って思ってるんじゃないかと感じます。

まあソニーにもビジネス面で成功して欲しいとは思いますが、負けてる負けてる言われつつもこんなに面白いゲームが遊べる状況はユーザーとしては悪くないんじゃないかと思ってます。