エレメントハンター #14「運命の自由落下」がなかなか面白かった。

最近はあんまりシナリオでぐっとくる作品がすくないが、エレメントハンター14話は久々にぐっとくる面白さだった。
エレメントハンターは日韓共同制作というスタイルで、基本的な企画やシナリオは日本で、作画に関することや演出は最大限韓国でという分業っぽい。非常にこなれていないギコチナイ絵で最初はまあなんだかなあという作品だったが、主人公3人と絡んでくるコロニー側のエレメントハンターで、もはやメインヒロインといってもいい「アリー・コナリー」がメインになってきてからはぐっと面白くなってきた(メインヒロインのはずだったキアラはほとんど空気)


コロニーの秘密を知りすぎたために殉職扱いで社会的に抹殺されたアリーが地球側にスカウトされて亡命する話であるが、この脱出劇において「敵」とか「トラップ」をほとんど登場させず、ただ34万キロの自由落下(フリーフォール)に挑む「心の不安」との戦いのみで描ききったシナリオにうなる。


アリーというキャラは漫画的に言えば優等生のクールビューティーということになるんだろうが、エキセントリックな漫画チックキャラクターに留めず、非常にまともな思考や心情を淡々と描くところが非常に新鮮。実写ドラマでさえ過剰に「キャラ立て」している傾向が多い昨今の作品のなかで、この「普通」「まとも」さは貴重。たった5分の逃亡劇のなかで、ところどころ立ちすくみ、思考し、不安と戦い、ギリギリの決断をし、それでもなお「本当にこれでいいのか」という結論を出さない今回のドラマは見るものに迫るリアリティを感じた。まとも萌え(笑)


子供向けアニメでここまで描けるとは。エレメントハンター侮りがたし。(獣の奏者エリンもオススメ)