とらドラ!論について

先日、ニコ生で春休み企画として「とらドラ!」等の一挙放送がおこなわれたようで再び話題になっている「とらドラ!

最初に放映されたのは 2008年10月1日 - 2009年3月25日 とのことなので4年ぶりということになる。

トロステなどでも幾度もBD化などで話題になり、ファンが多い作品であることは認識していたが、僕はあまりのめりこめなかった。最初に見た時には「いわゆるアニメ(マンガ)のヒロインをドロドロにして仮面を剥いで殴りあわせれば面白くなるだろう、という意図に向かって作られた作品」という感想で、いわゆる「ぶりっ子」を真面目に描こうというコンセプトには大いに賛同したいが、ちょっと悪趣味すぎるな、と思ったことを記憶している。なのでもう一度見たいとは思わなかった。

それでも大河と川嶋亜美はまだなんとなく理解の範疇だったのだが、2ndヒロインであり一番「マンガチックな」表現を与えられたみのりんだけがどうも理解できなかった。それが引っかかっていたのであるが、久しぶりに再放送の拍子で検索していたらたどり着いたBlogでようやく求めていた答えにたどり着いた。

とらドラ論 特に櫛枝みのりについて
櫛枝みのりは女である事に反旗を翻している。女なのに野球をしていたその最初から自覚があったのかは定かではないが、女であることで野球を続けられなくなったその時からは、女である事を捨て、自分の力だけで生き、男に頼ることなく自分の力だけで目的を成し遂げることで、社会や男や女である事自体に対して復讐しようとしているように見える。
http://d.hatena.ne.jp/pmoky/20110612/p3

あれを作中から「ジェンダーの呪いとの戦い」と捉えた考察はお見事で、そう考えると自分の中で全部の「とらドラ!」の辻褄があう。

当時、みのりんが阿呆のフリをしていたのはわかったが、どうしてそうせざるをえなかったかがわからなかったのだ。

いや作者が本当にそう考えていたのかどうかはともかく、これで「とらドラ!」をもう一度見ても楽しめそうということで、この考察にありがとうと言いたい。これが書かれたのは2011年ということなので、さすがにとらドラ!論も沈静化していた時期だろうから話題にならなかったのはモッタイナイ。


大河については、ウチは当時中学校が荒れていて大量の暴力教師鎮圧部隊の投入で、男子はおとなしくなったが今度は女子が荒れはじめたという時代であり、リアルあんなのが跋扈していたので(笑)しかしさすがに女子中学生を5人がかりの男たちが殴りつけたらさすがに昭和でも大問題になっただろう。

そしてさらに荒れる女子を抑えるために、ほとんどの中学生女子よりチビな対女子決戦兵器まさにリアル手乗りタイガー【スケバン教師】が投入されたという思い出は今では笑い話である。当時とらドラ!があったら「手乗りタイガー」ってピッタリのネーミングだったな。(ごくせんは男子との話なので、女子を殴るために女教師を投入した事例とは違うだろう。その先生は男子には徹底的に甘かった。)

クラスで一番かわいい子が不良のボスで、そいつを教室で手乗りタイガーが徹底的に殴り倒して呆然レイプ目してたってリアル話。ちょうどFateの大河先生を大河にしたようなトンデモナイ話である。

しかしみのりんみたいのはいなかった。どうしても自分のつたない経験の中では慮ることができなかったキャラなので、この考察はありがたかった。