「紅殻のパンドラ」は俺ら?が見たかった「サイボーグプリキュア」だ。

たった一つの命を捨てて 生まれ変わった不死身の体 鉄の悪魔を叩いて砕く キャ(ry
一億総活躍とかSTAPとかリケジョリケジョっていうけど、魔法とラブとファンシーこそ至高ってアニメマンガで育ったらなかなか芽生えないよねえ…という気もあり、それならやっぱり女児バトルアニメであるプリキュアで「サイボーグプリキュア!」ぐらいないとダメだろう、とか思っていたところに来たのがコレ。
あんまり冬アニメも見られてないけど、士郎正宗原作ってことで「紅殻のパンドラ」は見てる。ものすごくワクワクという感じではないけれども、ドタバタコメディでもあり、女児アニメフォーマットと攻殻機動隊の世界を合わせるというなかなか思いつかない取り合わせ。

わたし!全身義体になっちゃった!というヒロインから始まり、
どこぞのオブジェクトみたいな最終兵器のブエルは妖精さんポジション。
天才科学者であり、世界平和主義者であり、死の商人でもあるウザルはファンシー異世界の女王様ポジション。
自立型歩脚汎用ロボットのゲルコマは、おともだちの動物さんたちポジション。
よくないやり方で世界平和を目指すイケメンは敵幹部ポジション。
ふだんはいい人世界平和をめざすロバートおじさんは最後に改心する敵幹部下っ端ポジション(最初から改心しているけど…)

まあフォーマット的にはプリキュアなんだけど、そこに一癖も二癖もあるヒネリのあるキャラクターを定番ポジションでねじ込み、魔法部分は攻殻機動隊で定番のデバイスでSF的代用を行うことで、難解でないのに味わい深い作品になっていると思う。

「変身」にあたるパンドーラデバイス起動の説明では「あれは光学迷彩でいったん服を見えなくしてから再度別の模様をかけている、なぜ二度の手順を踏むのか←正義の味方には必要なのよ!」というツッコミなどはその典型。

ふつうのプリキュアは素直すぎてあんまり直視できないが、これぐらいひねくれていると安心して見られる。良い子の思いが世界を救う、という基本は抑えつつも、ちょっと大人なってしまった人たちの思いもスパイスとして織り交ぜ良い子も悩む。六道神士氏のパロディとコメディとシリアスのバランスの取り方がとても気持ち良い。

この辺を下敷きにしてきっとニチアサに「サイバープリキュア」が登場することを期待しつつ…… ←無い!