レース壊滅状態
と2008年でこれだけレースを去る。まあFIAの横暴に対するちょうどいい抗議時期というのもあるんだろうが、寂しい感じである。と同時に別にいいやん、という気もする。
20世紀(1950〜2000年)のクルマへの熱狂はそりゃ凄いものだった。次から次へと新しいカタチ、新しい技術、新しい走り方など生み出され、レースに投入され悲喜こもごもと共にひたすら熱かった。
とはいえ、いまさら20世紀のクルマがいいとは思わない。今のクルマは本当によくなった。
「熱狂」は同時に「発展途上」でもある。成熟に熱狂はない。熱狂を懐かしんでも、昔に戻って熱狂しなおすのは不毛だ。
パソコンにしても、8ビット〜32ビット時代はそりゃもう、インテル、ザイログ、モトローラ、MIPS、IBM、SUN、DEC、Cyrix、AMD、と次から次へとアーキテクチャが出てきて、パソコンメーカーも互換なんか無視して突っ走っていた。OSなんかブートローダーでしかなく、ソフトはハードウェア依存バリバリのその熱狂たるや今の比ではない。だからといって、それが楽しいから昔に戻るか、なんてことをしたいとは思わない。今のインテルアーキテクチャは良し悪しはともかく、昔のパソコンよりずっと安くずっと快適でずっとたくさんのことができる。
また熱狂したいと思ったら、まだ未開拓の分野で遊ぶしかない。
仕事が遊びになっちゃうような新しい分野。
モータースポーツでいえば、近年もっとも熱狂した新しい分野はルマンのディーゼルだろう。ディーゼルが一番速い?誰がそんな事想像しただろうか。これでメルセデスやBMW、ホンダ、いすずあたりがディーゼル勝負をやりはじめればしばらくは熱狂できるだろうと思う。
次に来るとしたら電動化。EPレース。
シボレー・ボルト みたいな市販EPカーが続々出てるならば、これを集めてレースしたいと思うのは当然だろう。
既存のエンジン・ミッション・タンクのクビキから解きはなれたカー・アーキテクチャが速さを求めたら一旦どんな方向に最適化していくのかまったく予想が付かない。しばらくはアッチコッチで試行錯誤のトンデモマシンがでてきて、それこそ熱狂だろう。
とりあえず、F1じゃなくて「E1」でもやりませんかな>FIA。