派遣社員は派遣会社の正社員ではないの?

自分自身が派遣会社で働いた経験がないので、周囲を見て聞いたりしたことから書く。また理系ばっかりだったので、理系限定とする。

まず僕らの時代は超氷河期といわれる時代で同級生もけっこう派遣会社に就職していた(メ○テックとか)。ただ、派遣会社の「社員」であって、実際にはアチコチに行くのだが、あくまで派遣会社に雇用されている形態である。だから毎月研修と称して集会があったり、派遣される仕事がないときは「待機」ということで事務所に詰めて勉強とかしていたらしい。もちろんその間の給与はでたし、派遣される先(ほとんどがSE系だったので誰もが知ってる大企業が多かった)よりかなり収入は低かったらしいが、それでも派遣会社の正社員といえば正社員だったのである。待遇が悪いといっても、あくまで「派遣されている誰もが知ってる大企業」と比較してであり、しがない中小企業に就職した僕と、しがない派遣会社に就職した知人とそれほど違いがあるようには見えなかった。むしろ寮とかはその派遣先のモノがつかえて僕よりずっとよかった覚えがある。

また、こういう場合、派遣先の大企業も「しばらく使っていたら、いつのまにか抜けてもらっては困る(能力とかそういう問題よりむしろ慣れとか新人を雇い直すのが面倒になってくるという問題)ので、期間おわったらうちにこない?」という動きがしょっちゅうあり、実際、そのまま誰もが知っているような企業に就職した知人はたくさんいる。もちろん新卒より待遇は悪いだろうが、「どこにおつとめですか」と聞かれても全然胸を張って答えられるようなところだ。

誰もが知っている大企業といっても、能力うんぬんはさておき、何より「自分たちのやり方をまた一から教え直さなくても良い」メリットを選択することがたくさんあるわけだ。石の上にも三年とはよく言ったモノだ。

派遣会社は「そのまま置いておいたら派遣先に商売道具を持って行かれてしまう」からあえて期間が終わったら次のアテがなくても給与を払って引き上げるということさえやっていた。うちのボーナスが年1.5ヶ月だった失われた10年時代の話だ。

だから、僕はあまり派遣会社というものにマイナスイメージを持っていなかった。むしろ僕らのような底辺大学だと、まず正面からなら絶対入れないような大企業に見事迂回ルートで滑り込む手段のように見えた。氷河期でも企業は若い人が欲しかったのだ。大学でいえば、難関公立大学(理系)なら、その地元の高専ルートで編入するようなイメージだ。(例 大阪府立大と大阪府高専など。模試の成績から考えればまず入れないが、高専ルートだと編入できたりする。府立同士でつーかーなので)

入試も入社もそうだが、一発で判断しないといけない場合はやはり試験や学歴なんかで決まってしまうが、とりあえず雇用したりしてつきあいが始まるというルートは雇う側にとってもじっくりと判断できるので、能力とか人柄とか慣れとかまた新人教育メンドクサイとか試験だけでわからない部分まで含めて評価してもらえるのである。


とりあえず派遣切りでわからないのは、なんで派遣会社が、派遣先の任期が終わったからといって自分のところの派遣要員を解雇できるのかだ。どういう契約なんだろう?雇っていないのに派遣できるってのはおかしくないかい?

まずマスコミはそのへんから解き明かしていかないといけないのではないかな?