電気自動車と充電のお話
同僚がNHKの特集に触発されたのか電気自動車の話になった。まあ未来はもう電気自動車だね〜ということなのだが、まあそれ自体は否定しないとして、現時点での電気自動車は性能とか航続距離ばかり話題になっているが
充電
の話はちっともちゃんと説明されない。
僕はラジコンマニアなのでやはり「充電」が気になるのだ。
とりあえずスペックが公開されている三菱iMiEVを例に推測してみることにした。
iMiEVは330V、16000Whのリチウムイオン電池らしい。
単純計算だが、48000mAhのバッテリーということだ。
また4モジュールで構成されていることも判明している。
問題は1モジュールの構成だが、これは公開されていないので推測する。
単純にシリーズ(直列)だとすると1モジュールは 82.5V おそらくそうだと思う。
82.5V-48000mAh のモジュールだとすると、現在の1セル容量が4800mAhぐらいが限度だと思うので
22S10P(22直列10パラレル)セル構成だと思われる。
これは、82.5Vの22Sモジュールだと仮定すると、充電ピーク電圧が4.2V×22=92.4Vとなり、家庭用コンセントからの昇圧がいらないということだ。別に昇圧そのものは難しくないが、これだけの大電流昇圧回路となると大げさだし、家庭での設置にも困る、またクルマにつむのも軽量化が命題の電気自動車にとってマイナスだ。
なので、1モジュールは82.5Vだと推測できる。
また、急速充電の場合だが専用の電気スタンドでの充電は200V-250Aらしい。また充電時間は20分で80%チャージとのことだ。
これを2モジュール直列-2モジュールパラレルチャージだと推測すると、1セルの負荷は
44直10パラの2.4Cチャージとなり、2.4C/0.8=20分 とピッタリ一致する。
また最新のラジコン用リポでも常用は2Cが限度といわれている。高性能なセルと高度な制御なら2.4Cという値は納得できる。
80パーセントで止めるのは4.2V到達のCCチャージでそれぐらいだから、それも一致する。
さて戻って家庭用だが、変圧なしのAC-DCだと推測して
4モジュールパラレルチャージだろう。
普通の家庭は30A契約、オール電化でも60Aから100Aといったところで、クルマの充電にまわせる電流って
せいぜい10Aぐらいじゃないだろうか。
これを100V-10Aだとすると4パラで1モジュールあたり2.5A 48Aあるので充電には 20時間 かかる計算になる。
ただiMiEVは普通の家庭用コンセントで16時間と書かれているので、3A×4で、12A、ロスを見繕って15A。
この15Aというのは一般の家庭用コンセントが流せる限界なので、これも計算にぴったり合う。
えーと 15Aで16時間?ってのがどれぐらいを意味するかって
暖房用のエアコンの16畳用をフル稼働させたぐらいの値です!
つまり、家庭用の大型エアコンをフルパワーで丸一日つけたぐらいの電力です。
iMiEVの航続距離は約160kmとされています。まあ通勤に使う場合で一日40km(1/4使うと仮定しましょう)
これを毎日充電するとすると15Aで4時間充電です。
大体6畳用エアコンを8時間フルパワー(暖房)をつけっぱなしにする計算です。
深夜電力とかは別として、これぐらいやると電気代は間違いなく1万円以上上がるでしょう。40km×30日で1200km
10000円/1200km=8円/km
コメントで訂正いただいたので。
ものすごい単純に計算してみても、
16kWh * 8.19 円/kWh(関電の場合) = 131.04 円
131.04 円 / 160km = 0.819 円/km
ですね。深夜電力じゃなくなると、
16kWh * 22 円/kWh(だいたいこんなもの的な) = 352 円
352 円 / 160km = 2.2 円/km
とたいへんオトクに。(違実際に運用してみれば、充電ロスや 160km も走らねーよ的な話になって、
5 円/km ぐらいになるんじゃないかとかてきとーな予測をしてみたり。
プリウスあたりだとリッター20kmとして1200km/20km=60L
60L×120=7200円 6円/km
です。まあ現時点ではなかなかいい勝負といえるでしょう。もちろん将来ガソリンが枯渇すると全然立場が逆転するし、現時点でここまでいい勝負が出来るなら実用性は確立しつつあるともいえるでしょう。
でも、決してバラ色ってわけじゃないと思う。
全部がこんなに電気使い始めたら発電所のオーバーロードは間違いなし。
なぜって、現時点のiMiEVで充電こんな状況ですよ。もし倍の電池とか当たり前になったら当然ですが充電もそれに比例します。
さて、電気自動車の未来は明るいのでしょうか。インフラ作りはけっこう先が厳しい・・・