ケータイ小説はケータイで読まなきゃ分からない!

ケータイ小説?プ、というのが本読みでのスタンダードになりつつあるようだ。確かに単行本はおろか、PCのブラウザ(うちはSUXGA 1600×1200、職場ではさらに3200×1200)とかいう画面サイズで見ていると、なんともまあ「文章」にもなっていない、チャットのログ読んでんじゃないんだよ!1行レスか!

ん?

そうだ、そうなんだ。あれは「読めるチャットのログなんだ」とおもった瞬間腑に落ちた。(僕にとって携帯メールというのはメールというよりもショートメッセージ≒チャットに近い)

はっきり言えば僕はパソコン通信世代、インターネットでいえばMosaicから入った世代なのでどうしても文章は長くなる。今のはてながなんとなくニフティPC-VANくさいのは、もろその世代が多いからだと思っている。それでも原稿用紙から文章を書いていた世代からみればなんと砕けた文章だろうと思われるに違いない。

それは80桁25行で育ったか、それとも400字詰か、QXGAにも満たない16桁8行とかで文章を書き始めたかによって大きく異なるに違いない。言えるのは、その1単位で読める段落に大きく依存するだろう、ということだ。僕がSS(ショートストーリー)なんかを書いていたときも大体“PCメール、パソコン通信の1段落”で区切りながら書いていた。ただその場合80桁25行のPC9801、またはウインドウ表示のメーラーの画面(VGA+αぐらいか)、はたまた2chビューアの場合だと、全角なら40字×5行程度でいったん空行を入れるのが読みやすさの秘訣、つまり200字程度で一段落、ということだ。これは幸い原稿用紙400字詰の半分、ちょうど真ん中で切れている片側、つまり原稿用紙世代でも一塊とされる部分の分量に近い。

それに引き換え携帯電話はどうだろう?画面サイズがまちまちなので一概に基準を設けるのは難しいが、J-Phoneで始まったショートメールからいけば128文字、全角64文字がMAXの段落文字量、とみていいだろうと思う。16字×8行、まさに携帯小説の段落感覚じゃないのか!?

「たまたま」1センテンス=MAX200文字のパソコン通信世代 が 400字原稿用紙世代(SF世代ということにしておこう)との断絶感をあまり感じなかったとしても、40字詰(MAX64文字だが、まあ40字ぐらいだろう)との表現格差にクラクラするのはやむを得まい。

意外と中高年でもケータイ小説にはまっていたりするのは、PCや原稿用紙で文章を書かず、ケータイになってから日常的に文章を書き始めた人たちということじゃないだろうか。

世代問題といっても「年齢」よりはむしろ「文章書き環境世代問題」だろうと思う。案外、Twitterあたりでケータイ小説の文章を吐かせると違和感ないかもしれんなあ。あれを本にするには、文庫文サイズでも段組しちゃえばいいんじゃないだろうか。まさにそういうテクニックが必要とされているように思う。

内容?まだまだこの64文字1センテンス、全体を読み返さない、というストーリーメイクを生かしたところまでは行ってないだろう。
とりあえず目新しいという段階。逆に成熟したときには単なる小説と化している可能性もあるが・・・