ついに高画質化のために画素数減へと舵を切ったPowershot

キヤノン、ノイズを1/4に抑えた「PowerShot G11」
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/20090820_309470.html

ここで注目すべきは、なんといってもココである。

撮像素子のサイズは、前モデルの「PowerShot G10」と同じ1/1.7型CCDながら、有効画素数PowerShot G10の1,470万画素から1,000万画素に変更し、画素当たりの面積を約45%向上させてノイズの低減を図った。

ついに「新後継機種へのモデルチェンジで画質向上のために画素数が減った」のである。

コンパクトデジタルカメラの画素数は、正直に言えば1/1.7インチの大型CCDクラスであっても、あの伝説の名機「FinePixF31fd」の600万画素がおそらくベストで、現在のG11ですら1000万がベター、それ以上はむしろ感度の低下を招き、無理矢理画像処理でノイズを消す「つまらない画像」ばかりを量産していたと思う。今の1/2.3インチクラスなら600万画素でも過剰気味であり、400万でいいと思う。むしろ400万にして動画もっと強化してクレー!という気分だ。1280×720のHD動画がスムースに撮影できれば十分だ。

とまあ、デジカメが好きな人ならみんな思っていたことだと思うし、メーカーだって分かりきっていたことだろうが、カタログに「○○○○画素!」と書かねば売れないと信じ切っている広報営業の圧力でどうしても「画素数を減らして画質アップ!」には踏み切れなかったわけだ。まあおかげで画像処理エンジンの性能やCCDの感度は相当に向上した一面もあると思うので悪いとは言い切れないけど。

まあ確かに携帯電話では未だに「その携帯○○○万画素なんだ、凄いね!」なんて会話が飛び交っているので広報営業さんの見解も間違いではないと思う。携帯だったら300万でも過剰なぐらいで、130万画素をあえて搭載してくる端末があれば讃えたいと思うが。(CyberShot携帯はあのサイズで500万画素に抑えている。それでも過剰だと思うがそれでも営業部門からの圧力に対してそうとう頑張って「500万にとどめた」のだと思う)


で、コンパクトデジタルカメラでも「Gシリーズを買うユーザーならまずわかってくれる」という判断なのだろう。いよいよ「機は熟した」ということだろうか。

この方向転換は大いに歓迎したい。他のメーカにも波及することを期待したい。