MGガンプラ(ただし17年前、1998年の)「MGも20周年!」(1995年、初代MGガンダム発売とのこと)

家に古いガンプラ(未組立)の箱が放置されていたので開けてみた。自分が買ったのかどうか覚えがない。そもそもティターンズ仕様のmk2に旧ザクである。そういうものを自分が好んでいたのかどうかすら覚えがない。ただmk2は2個も塗装して組んだキット(初代1/144)がまだ飾ってあるのできっと当時は自分でもmk2が好きだったのだろうと思う。旧ザクはたぶんキライだったはずだがなぜ買ったのか覚えがない。捨てるのももったいないし、売ってもたかが知れているだろうから組み立ててみた。

MGだが1998年製ということもありそれほど複雑怪奇ではないが、MGなので色分けはそこそこしっかりしており、またパーティングラインも(mk2は)かなり目立ちにくいような分割になっており、当時としては「最高のプラモデルを目指す」という目標に向かっていたようだ。シールも今とあまり変わらない。

素材に関しては今のHGなどと違い、スナップフィットでも基本はまだ接着剤やヤスリ、塗料を使うモデラーが多いことを考えていたようでやや硬い当時の材質である。今でもガンプラ以外のPS樹脂はこんなもんである。ただし関節部などは柔らかい樹脂(ポリキャップやABSでないメインのPS樹脂でも)をつかっていたりと、当時から今のガンプラに通じる設計になっていたことが伺える。違いとしてはCGなど3D設計じゃないであろう設定画風のスタイルである。


旧ザク
ザクと比べても古い、ということを感じさせる見事なデザイン。旧ザクのほうがあとからキット化されるため実際はいつも新しいのだが、やはりふるさを感じさせる。旧ザクなんだからそうでなくてはならない。それが実はスゴイことである。



ガンダムmk2
旧ザクの正反対。初代ガンダムの特徴要素をすべて忠実に取り入れて、かつ「おもちゃが商品の基本」のTVアニメだった初代ガンダムから、「プラモデルを商品の基本に据えた」Zガンダムの企画に対応すべく現代風にアップデートされたデザインであり、足の甲、つま先、かかと、膝、肘、腕の回転、腰アーマーの可動、股、膝、肘まで「動くならこう分割された線が必要」とうことを意識していなければこうならない。またエルガイムから派生したムーバブルフレームによる可動を取り入れ、MGの特徴であるフレーム構造、いやムーバブルフレーム=ガンダム=MGという前提はmk2の設定から生まれたのだ。初代ガンダムのMGなどある意味では邪道である。まさに「今のガンダムのデザイン基本を確立したのはmk2」である。Ver2、Ver.Ka、RGなどはむしろmk2に初代の皮を被せた感じがしてあまり初代ガンダムらしさがない。オラザクコンテスト金賞に「よみがえるガンダム」が選ばれたのも、このmk2が確立した今の「リアル風ガンダムプラモ」に異を唱え、それを見事に再現したことが人々の心をとらえたことは間違いないだろう。

逆にmk2がMGと相性が良いのは当たり前で、そもそもZガンダムガンプラを売るために企画され作られた初のガンダムであり、そのためのデザインであり、その基礎がmk2なのだからプラモデル化して映えるはずである。

そういう意味ではZガンダム30周年、MG20周年の金字塔にふさわしいのはmk2だと思えるが、おそらくそうはならない華のなさもmk2である。

その意味では「富野ロボットアニメ」でプラモデルが商品の中心に据えられた企画だったのは「重戦機エルガイム」からであり、エルガイムで高級路線キットでムーバブルフレーム構造がそれなりに成功したからこそバンダイは「ガンプラブーム再び」とZへと繋がるのである。

ダンバインは今で言えば「ムシキング」的な発想から出てきたデザインであり、ザブングルは「クルマと建機の戦隊シリーズ」的な発想である。どちらもおもちゃメーカー(クローバー)牽引だったからこそああなったのだと想像できる。

※この、ロボットTVアニメの「スポンサー販売商品の基本をおもちゃではなく組立プラモデル」に置いた変革の初作品はダグラムだったらしく、MGの商品企画だったMAX渡辺氏が今マックスファクトリーダグラムを立ち上げているのは感慨深い流れである。