WindowsVistaは買ってはならない、のはずが・・・

から突如状況が一変。正直出た当時はまさにトラックバック先のearlybird氏の言うとおり、なにもいい事なんかないOSだったと思う。だが、出て半年で状況が変わった。メモリの急激な低価格化だ。「メモリ 2Gも必要なのか!ふざけんな!」から、あっという間に「4G積んでも使えないのか!」に。

ATINvidiaともに多少の3Dパフォーマンスを捨ててでも低価格でDirectX10対応のGPUを提供し、統合チップセットも出そうな勢いだ。HD画像のx264やWMVのデコードはデュアルコアCPUでもきつい。ようやくミドル、ローエンドに搭載されたHDデコード支援GPUを積極的に使うVistaはここでも生きる。

しかもHDを表示できる液晶モニタはもう24インチ10万未満は当たり前、1360×768の簡易HDでよければ5万以下だ。ReadyBoost用のフラッシュメモリ価格破壊も凄い勢い、これらを生かすにはVistaでないとダメ、ノートPCのタブレットも急速に価格低下。ペンPCの勢いも増している。

64bitCPUのPentiumD、Core2、Athron64は大バーゲンになり、Celeronなんてどこ吹く風だ。こうなるとVistaの価値は(x64版)は一気に高まる。もしXPを存続して「x64版にしてくださいよ〜」なんて言っても誰も踊るまい。

逆風だったのがいきなり追い風に変わっている。

つくづくマイクロソフトは「ツイてる」と思う。Vistaが64bit普及のためのOSだとは思っていないし、マイクロソフトもそのつもりなんかなかったかもしれない。が、はじめから64bit版をフルに用意し、GPU重視路線を打ち出したVistaがあれば路線変更は容易だ。なかったら大変だったと思う。XBOX360にしても、勝手にPS3が失速している間にHDゲーム機の座は磐石だし、結果としてネットサービスのXBOX-Liveは大成功、こけることを運命付けられてそうだったVistaもDDR2メモリの爆発的低価格化、そのDDR2を使うマザーはほぼデュアルコアという状況、GPUメーカーチップセットの台頭。どれも経済アナリストたちからは「アホか」と罵られていたことを止めずになんとかしのいでいるうち全部勝手に状況が解決してくれる。手を出さなかった賢いところにオコボレはない。買わなかったクジにアタリはないのだ。

AMDがAthron64を出したときも「え?なんで64bit」ってな感じだったが、そのときの「すでに1GのDDRモジュールが出てきたから、近いうちに必要になる」という内容が数年たって実現したわけだ。あのときは周囲はおろか、インテルさえププッ、という感じだったと思うが、流石というかPentiumDからあっという間に64bit化を済ませていた。でなかったら今頃大わらわだったはずだ。