かつてバイクの来た道

  • Tech Mom from Silicon Valley

「男の子は自動車がすき」という自明の前提が崩れているとしたら
http://d.hatena.ne.jp/michikaifu/20090114/1231958996

流石 Tech Momッ! という記事なのだが、特にガツンときたのはココ。

私の古巣ホンダでは、もう何十年も前に、「バイク」でこうした「他の製品との競合」「当たり前と思われていたその製品への憧れが弱まっていく」というフェーズをすでに経験している。ホンダの人たちは、今クルマ離れ現象を目の当たりにして、このときの経験を思い出しているのかもしれないな、とふと思う。

ああっ!確かに!
クルマ大好き、はてなーの“嫌煙”ならぬ“嫌車”風潮には辟易して、つい「アンチ嫌車」している僕だが、バイクに対してはあまり人のことはいえない状況である。
高校卒業と同時に原付免許を取り、社会人になって2輪免許を速攻取ったのだが、結局配達アルバイトで役だった以外に自分のバイクは買っていない。いや欲しいとは思うのだが、優先順位が低い。

ホンダのバイクヒストリーを軽く思い出すだけでも

自転車用エンジン

ドリーム号(原点)

カブ(国民車へ。生活の道具へ)

海外レースで活躍(F1)

国民バイクブーム(一億総自動車)

高級志向、レーサーレプリカ、過剰な性能、オフロード

スクーター回帰(軽自動車の復権?)

大型解禁、最後のバイクブーム(レクサスとか?)

2極化(2Lセダンクラスの落ち込み)

ビッグスクーター(ミニバンブーム?)

環境対応(2スト禁止)

125ccの復権

電動化?


今の自動車は、ちょうどミニバンブームが終わり、次はそろそろ軽自動車が「やられる」か…というところだろう。もはやエコとはいえない重量と価格に肥え太った軽自動車は、2スト禁止で失速した原付と同じ運命をたどるのではないかと心配になる。ターボ車と850kgオーバーの軽自動車にはガツンと税金上げても良いんじゃないかと思うことソコソコ。(というか現行法でも自治体判断で150%の税率にすることが可能なはず)

また、バイクの話で盛り上がる人は相当減った。クルマはバイクよりは実用品度が高く代替不可度が高いのでそれほど廃れないとは思うが、昔はバイクだってクルマ以上の実用品だったのだ。バイク並みになる可能性だってある。

僕が「二輪の免許あるよ」というと、「ええっ!crodeってバイク乗るの!?」と、それだけで驚かれる時代だ。(あと産業用ロボットとフォークリフト(笑)

かつては男だったら持っていて当然、という時代もあったのに。
クルマだって都会ではそうなる可能性は十分ある、というかすでに平成生まれに近い世代にはそれを感じている。

  • 付け足し

なんでバイクはだめになったの?に関してはハッキリした理由が見あたらない。経済力、駐車場の問題もクルマよりはずっと影響が小さい。逆に豊かになってバイクじゃなくより便利なクルマを買うようになったから、というのが一番の理由か。

  • 付け足し2

僕もついやってしまうが「自動車離れの犯人捜し論」をいくらやったとて、決定的犯人(そいつをつぶせば、再び国民が自動車を買いまくるようになるようなモノ)はまず無いと思う。それに近いモノがあったとしても、それを解消して再び熱狂時代がやってくるとは思えない。それが「成熟」というものだと思うし、もっと別の要素、未完成だが期待できるモノ、そういうモノが出てこないと無理だろう。

  • 付け足し3

そういえば、自分でも去年こんな事書いてた。
レース壊滅状態 http://d.hatena.ne.jp/crode/20081217/1229480968