2018年4クール目アニメについてあれこれ
2018年アニメもいろいろ楽しめた。
こんだけ制作が破綻とか言われている中で、それでもどれも面白い…結果が駄作と言われても、すくなくとも面白くしようという気持ちみたいなものはどの作品にもあったと思う。
ただ流石に多すぎて全部見るのは無理。
とりあえず4クール目(9~12月)で印象に残ったものを。
・SSSS GRIDMAN
やっぱりこれでしょう。いろいろな歯車が噛み合った傑作だと思う。
マイトガインから鍛えられているロートルには、ラストはまあ、話たたむには仕方ないかなと思うけど、そこまでに至る道筋、特撮ヒーローからロボットアニメ、学園もの、SFといった娯楽アニメーションというものの魅力をよく一つにまとめたものだと思う。
特撮ヒーローとしては、当時の状況では逆に盛り込みすぎてまとまらなかったグリッドマンを、ある意味今になって再発見され、万全の体制でやりなおせた、という妙味。
(主に男子向けターゲットの)娯楽作品を総括的に楽しめたという点で、アニメーション作品としてなんというか、邪道なまでに盛り過ぎてるのにスッキリしているという、料理的な感想になってしまう。
背景というか、特撮箱庭世界にするんでいる人という、ビジュアル的な狙いもよかった。背景描写力がある作品は大体名作。
・RELASE THE SPICE
ゆる萌えの なもりキャラ でシリアスという、あるいみ「ゆゆゆ」のフォロワー的な狙いの作品だと感じた。序盤の厳しさから救いがない作品を期待していたのだが、残念ながら製作陣の腹括り不足というか、やっぱりそこまでやれないよね、というターゲットへ配慮というか忖度というか、そのへんが結局ハンパになってしまったのが残念。
やっぱりタカヒロ氏にやってもらうなら、彼が原作した「アカメが斬る!」までいかないと魅力が出ない。ゆゆゆも2クール目でだいたい救われてしまって、まあわかるけど、それはちょっと期待はずれというか(笑)
アカメが斬る!で、奇跡は起きないし、ヒロインは誰とも結ばれないし、二人しか生き残らないし、それでも「楽しかったな」のセリフで終わった、全滅エンドだとかえって得られなかった、キャラクターが、反省しつつも、救われるのではなく自らを救う神エンド。あれがいまのところ自分にとってのタカヒロ氏の頂点だよ。
富野作品の中でも、Vガンダムは死にまくりでも全滅じゃないからこそ、ラストが生きる。全滅のイデオンやダンバインではある意味救われてしまっているからね。
・ダグ&キリル
タイガー&バニースタッフによる、あたらしいバディもの。誰一人「視聴者を気持ちよくさせてくれる上手いキャラがいない」という、序盤の見事なまでの噛み合わなさから、後半にいくに従っていつの間にかまとまっていたという、あの職場感みたいな展開はお見事。
近いのは、アクティブレイドの第一期。あれも誰が主人公なのかわからないぐらいの展開だった。
その意味ではタイガー&バニーよりある意味で大人向けというか、耐えることを視聴者に要求するタイプ。
これ難しいんだ。視聴者に要求するって。やりすぎると全部そっぽを向かれてしまうし、媚びすぎると「まあね、わかるよ」でウケても刺さらない。
このさじ加減に正解がないことが、クリエイターという仕事の永遠に向き合わないという宿命。かといってさじ加減を意識しないと永遠に刺さらない。
この1クールという尺は、実験にはやや長い。
今の1クールものはだいたいかつてのパイオニアOVAスタイルの6~7話が適していると思うんだけど、1クール単位で縛られているというところが脱出できると、アニメもやりやすくならないかなあ。
これはタイガー&バニーからの引き継ぎだと思うけど、アメリカンな背景、町並みの描写がしっかりしている作品は、そもそもの世界観がしっかりしている証。背景がいい作品はだいたい名作。
・叛逆性ミリオンアーサー
これは団長アーサーがFGOのジャンヌのままおバカキャラになったようなキャラとして出てきたのが楽しいという極めて個人的趣向でハマっただけだけれども。
これぐらい息抜きに向いている作品もそうそうないと思う。これでラスト締めてくれると最高なんだが。
・青春豚野郎はバニーガールの夢を見ない。
まあ、「泣きゲー」の名エピソードを思春期症候群という名前で総括したような日常奇跡エピソードの集合体、というのが感想。
でもよく出来ているから面白いよ。
面白いから高評価、というのとはちょっと違うけど。
ココ難しいところなんだ。僕は面白い=高評価じゃないんだ。
面白いのは必要条件であって、それにドーンと刺さる新しさみたいなものがほしい。
ほかもいろいろ書きたいけど、とりあえずここまで。